冨嶽舞利鳥図浪之裏_blog志水堅二「冨嶽舞利鳥図 浪之裏」(フガクブリドリーズナミノリ) 作品をご紹介いたします。

多くの古い玩具を描いているうちに時間の象徴として誕生したという志水堅二氏のオリジナルキャラクター、ブリキの鳥「ブリドリー(Bridolly)」。
志水氏は大和絵のデザインと西洋絵画の要素を融合させた中にオリジナルキャラクター「ブリドリー」を配し作品を構築しています。
枯れた花や切り花、そして古い玩具や錆びた道具などをモチーフにして、生命や時間に主眼を置いた作品を制作してきた志水氏。
その志水氏の心の中に、突如として舞い降りてきたのが、ブリドリー(Bridolly)です。
作家によれば、ブリドリーは、『いくらゼンマイを巻いても飛ぶことは出来ないけれど、ジャンプは得意。いろんなものに出会うために、高いところにのぼるために、そして遠くの知らない所へ行くために、ジャンプしつづける。外見のサビなんて、気にしない。ゼンマイが錆びついて動かなくなるまで、ジャンプしつづける。』という存在です。
何かに制限され束縛されてしまう状況下にあっても、それを乗り越えるべく、何かを夢見て自由に、そして気高く羽ばたこうとするブリドリー。その姿勢は畢竟(ひっきょう)、生き方の問題に収斂(しゅうれん)されるようです。
葛飾北斎の代表作である『神奈川沖浪裏』に色トリドリで愛嬌たっぷりのブリドリーたちを配し、江戸時代の浮世絵の制作技術を昭和・平成に受け継ぐ摺師・久保田憲一の手によって一枚一枚摺られた新しい浮世絵作品がこの度完成いたしました。

神奈川沖浪裏とは?

 

Concept
ある日、ガラクタ屋で錆びついたブリキの鳥の玩具と出会った。
顔は笑っているようでもあり勇ましいようでもあった
手垢にまみれ錆びも出ていたが何故か惹かれる
お腹から突き出ているゼンマイを僕はそ~っと巻いてみた。
「カタカタカタ・・・・」
動いた!
完全に壊れていると思った。どのくらいぶりに動いたのだろうか
「僕はまだまだ飛べるよ」
そういっているようだった。
時の流れを感じさせる体の汚れや赤錆びも、とても美しく見えてきた。
僕は鳥を『ブリキの鳥のブリドリー』と名づけた。
そして
時間(とき)を表現するアイコンとして描いていくことにした・・・
【Bridolly】ブリドリー:Briki(ブリキ)とDolly(人形)からなる造語。またはブリ鳥。

【作家略歴】
1971年 愛知県生まれ
1994年 独立展出品
1995年 多摩美術大学卒業 後に大学助手となる
1998年 前田寛治大賞展
2000年 昭和会
2012年 京都A&Aで個展、神戸アートマルシェ出品
2013年 アートフェア東京で個展
2015年 Young Art Taipei2015出品、東京藝術大学大学院修了
他、百貨店や画廊で個展・グループ展など精力的に活動

【作品詳細データ】
絵師:志水堅二
画題:「冨嶽舞利鳥図 浪之裏」
限定:100部
画寸:縦26.4×横38.6cm
紙寸:縦32.2×横44.5cm
額寸:縦41.3×横52.8×奥行2.2cm
制作年:2017年
版数:22版26度摺
紙種:越前生漉奉書(紙漉:人間国宝・九代目岩野市兵衛)
サイン:直筆鉛筆サイン
彫師:関岡祐介
摺師:久保田憲一

 

和紙には耐久性・保存性に優れる人間国宝・九代目岩野市兵衛により漉かれる江戸時代より浮世絵に使われていた越前生漉奉書(えちぜんきずきほうしょ)を使用し、職人による絶妙なバレンの力加減で摺る事により和紙の中、作品裏面まで染みこんだ顔料はリトグラフやシルクスクリーンなど他の版画技法では見る事の出来ない浮世絵木版画ならではの特徴です。